【新刊】EUを緊縮財政基調から連帯に変えたコロナ危機
政治
2024.01.24
『コロナ危機と欧州福祉レジームの転換』
福原 宏幸/中村 健吾/柳原 剛司 編 | 昭和堂 | 306p | 3,520円(税込)
序.コロナ危機を経てEUは社会的な連邦主義へ向かうのか(中村健吾)
1.雇用・福祉領域におけるフランスのコロナ対応(松原仁美)
2.コロナ危機下におけるデンマークの雇用と社会保障(嶋内健)
3.コロナ危機下におけるハンガリーの雇用・家族政策(柳原剛司)
4.ドイツにおける市民手当導入とコロナ・パンデミック(嵯峨嘉子)
5.オランダにおけるコロナ危機対策と最低生活保障(廣瀬真理子)
6.スウェーデンにおける所得補償と就労支援政策(太田美帆)
7.コロナ危機に揺れるイタリア(土岐智賀子)
8.コロナ危機とベルギー連邦政府の対応(福原宏幸)
9.イギリスにおける国家―市民間関係の変容(平野寛弥)
【イントロダクション】※3,000字のダイジェストのうち、約300字の要旨のみご覧いただけます。
すでに話題になることも少なくなってきたが、新型コロナウイルス感染症のパンデミックは、各国の経済や行政に多大な影響を与えたのは確かだ。
とりわけ、拡大初期にイタリアをはじめとして世界的な「中心地」となった欧州においては、EUの制度や内部の政治的な力関係などに「コペルニクス的転回」が起きた。
本書では、2020年に始まったパンデミックへのEUの戦略、9の加盟国の社会保障制度を詳細に分析。
南欧を中心に被った打撃に対して、EUはどのように「連帯」し、中長期的な復興戦略を立てていったのか。そしてその一連の動きが、欧州の福祉レジーム(福祉が生産され、それが国家、市場、家族の間に配分される総合的なあり方で、その相違が福祉国家の類型を決定する)をいかに転換させたのか。その転換は、日本をはじめ他国・地域の国際協力や福祉行政のあり方にも影響するものといえる。
編者の福原宏幸氏は大阪市立大学名誉教授。専門は社会政策。中村健吾氏は大阪公立大学大学院経済学研究科教授。専門は社会思想史。柳原剛司氏は松山大学経済学部教授。専門は社会保障論、比較経済システム論。なおダイジェストは中村健吾氏による序章から抜粋して作成した。
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