【海外書籍】堤防、ダム、災害支援金に次ぐ第4の洪水対策は - 書籍ダイジェストサービスSERENDIP(セレンディップ)

『高台への移転を!――洪水対策の最適解』
Seek Higher Ground: The Natural Solution to Our Urgent Flooding Crisis
Tim Palmer 著 | University of California Press | 320p


1.嵐の到来
2.洪水の歴史
3.洪水は河川に必要であり、氾濫原も自然には必要である
4.治水ダム:その約束と現実
5.壊れた堤防
6.さらなる洪水と果てない嵐
7.洪水のための氾濫原
8.洪水保険の実態
9.高台へ
10.緑の回廊
11.河川とともに生きる


【イントロダクション】
近年は異常気象が頻発し、台風や竜巻、干ばつなど気候関連の自然災害が世界各地で甚大化している。とりわけ地球温暖化による激甚化の影響で大きな被害が懸念されるのが「洪水」である。河川の多い日本においてもリスクが大きい。
どのような対策をとれば、自然環境への影響を最小化しつつ被害を減らせるのか。

米国のカリフォルニア大学出版局から刊行された未邦訳の本書では、米国における洪水の歴史を辿り、堤防やダムの建設、災害支援金制度といったこれまでの洪水対策が、効果的ではないことを指摘。洪水被害の危険性がある、過去の氾濫原からの建物の移転を提言している。
洪水は、生態系や生物多様性を維持するのに欠かせない自然現象であり、河川の氾濫を防ぐためのダムの建設が、自然の営みに反するだけでなく、安全性を強調することで氾濫原に居住者を招いている現状があるという。

著者のティム・パーマー氏は、アメリカの自然保護、冒険旅行、河川に詳しい環境ライター、写真家。全米野生生物連合の自然保護功労賞、アメリカン・リバーズの生涯功労賞などを受賞している。


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