【新書】「科学」と「技術」は違うと認識する重要性とは
社会
2024.10.22
『基礎研究者』
-真理を探究する生き方
大隅 良典/永田 和宏 著 | KADOKAWA(角川新書) | 264p | 1,056円(税込)
新書化に寄せて 永田和宏
序.こんなに楽しい職業はない 大隅良典 永田和宏
1.研究は「おもろい」から 永田和宏
2.一番乗りよりも誰もやっていない新しいことを 大隅良典
3.待つことが苦手になった私たち 永田和宏
4.安全志向の殻を破る 大隅良典
5.「解く」ではなく「問う」を 永田和宏
6.科学を文化に 大隅良典
終.先行き不透明な時代の科学 大隅良典 永田和宏
おわりに ――最近強く思っていること 大隅良典
【イントロダクション】
「基礎研究」とは「真理の探究」や「基本原理の解明」「新たな知の発見、創出や蓄積」などを目指す研究活動をいう。すぐに「役に立つ」ものではないことから、重要性が認識されづらい側面もある。
では、基礎研究に取り組む学者たちは、日々何を考え、どんな思いを持って研究に励んでいるのだろうか。
本書では、「オートファジーの仕組みの解明」によって2016年にノーベル生理学・医学賞を受賞した大隅良典氏と、京都大学再生医科学研究所教授、日本細胞生物学会会長などを歴任した永田和宏氏とが、基礎研究とは何か、なぜ基礎研究が必要なのか等について対話するとともに、各々の考えをまとめている。
永田氏によれば、基礎研究においては、流行ではなく自分たちが「おもしろい」と思うテーマを追うべきであるという。また大隅氏は、「何の役に立つのか」という視点から科学を見るのではなく、未知の解明を純粋に楽しむ社会であるべきだと述べる。
著者の大隅良典氏は東京工業大学栄誉教授、同大学科学技術創成研究院細胞制御工学研究センター特任教授。永田和宏氏は京都大学名誉教授、京都産業大学名誉教授、JT生命誌研究館館長。朝日歌壇選者をつとめるなど歌人としても活躍。
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