【新書】日本の江戸中期からあった信用調査の仕組とは
歴史
2024.04.02
『三井大坂両替店』
-銀行業の先駆け、その技術と挑戦
萬代 悠 著 | 中央公論新社(中公新書) | 288p | 1,100円(税込)
1.事業概要
2.組織と人事
3.信用調査の方法と技術
4.顧客たちの悲喜こもごも
5.データで読み解く信用調査と成約数
【イントロダクション】※3,000字のダイジェストのうち、約300字の要旨のみご覧いただけます。
現代の金融機関にとって、「与信」は業務上きわめて重要な意味を持つ。金融関連サービスの多様化に即した与信システム、信用情報機関のあり方を考える際のヒントの一つが「江戸時代」にあると聞いたら驚くだろうか。
三井グループの淵源の一つである三井大坂両替店が、独自の信用調査の技術を有していたのだ。
本書では、江戸時代中期初頭である1691年(元禄4年)に三井高利が開業した三井大坂両替店の金融機関としてのビジネスモデルを、「聴合(ききあわせ)」と呼ばれた信用調査を中心に、残された膨大な史料をもとに解き明かしている。
同店は、江戸幕府から、大坂から江戸への送金業務を請け負っていたが、委託された公金を元手に民間への融資を行っていた(幕府は送金業務の完遂を条件に黙認していたという)。利益を確保するとともに、公金を預かる責任から、慎重な信用調査を実施していたようだ。
著者は法政大学経済学部准教授。公益財団法人三井文庫研究員。博士(歴史学)。大阪市史料調査会調査員などを経て現職。著書に『近世畿内の豪農経営と藩政』(塙書房)がある。
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